だから、営業という人種は嫌い

 数日前の事、他の部署の知らない営業の人からいきなり会議招集が入って来て、

「実は、Aという商品をH社に売り込んでいるのですが、DSKさんの扱っている製品Bに使われてているCという技術が活用できないという話が合って話を伺えないでしょうか?」

それに対して、僕が

「確かに僕は製品Bを扱っていますが、うちの製品には技術Cは使われていません。他社の製品なら技術Cを使っていますが、僕は知見を持ち合わせていません。なので話すことはありません。」

と返答しました。それに対する再返答が

「じゃあ、製品Bの一般的な話でも良いので、情報交換させてください。現在H社からの反応が悪くて、何としてもDSKさんのお力が必要なんです!!」

と来ました。

 

ここまで来て、僕はこのメールを完全に無視する事に決めました。僕にとっては、この返信の「何としてもDSKさんのお力が必要なんです!!」の意味が不明です。

というより、その意味がはっきり分かったので、無視する事にしました。

結局、この営業の人にとっての興味は、製品Bでも技術Cでもなくて、H社と話をするネタなら何でも良い訳です。おそらくH社の技術者が僕の扱い製品Bの事を言及したから、「はい、今日はH者様の為に、製品Bの担当のDSKを連れてまいりました!! なので、私の話を是非聞いてください!!」という展開になる事は目に見えています。

 

こういうのを営業の世界では「熱意」と言うのかもしれません。僕も技術者出身なので、この手の営業を受けた経験があるのですが、はっきり言って時間の無駄です。

 

営業の人によって、ステークホルダーとなる技術者との関係は重要な事はわかっています。しかし、だからと言ってお客様の技術者の単なる「御用聞き」になっては何の価値もありません。ま、世の中にはサプライヤの営業からちやほやされたり、お酒を飲ませてもらって喜んでいる技術者がいることも確かですが…。

 

じゃあ、営業の彼は何をすればよかったのか、それは社内の技術者と話をして、「弊社の製品Aには技術Cは使われておりません。その代わり、技術Dを使うことで、技術Cに負けない性能を実現しています。」というストーリーを作る事です。

 

ちなみに後日談です。

その後、全く催促のメールは来ていません。おそらく、H社との打ち合わせは昨日か今日だったんでしょう。で、その前日に、宿題が終わらない小学生の様に慌てて僕の所に連絡してきたのでしょう(悪意100%の推定)。