Trek Madone SLR インプレ# 4 (荒サイを走ってみた)
今日、仕事での外出にかこつけて、自転車で現地まで行き、帰りにちょっと遠回りして荒サイを軽く流してみました。
うすうす感じていた印象は確信に変わりました。
Madone SLRは普通に乗れるオールラウンダーバイクだ
という事に。
シートポストのISO Speedに注目が集まりますが、Madone 9からSLRに進化するに当たって、劇的に改善したのはハンドル周りの衝撃吸収性じゃないかと思います。
ご存知のように、荒サイは所々路面が悪い場所や、注意喚起のためのペイントがあるんですが、そんな場所を走っても変な振動が腕に来ることはありません。これは、ブレーキのブラケットを持っていても、下ハンを持っても変わらない特性なので、たぶん、フロントフォークからハンドル周りまで全部含めて、上手に設計されているのだと思います。
(少なくとも、僕のパワーでは剛性不足を感じる事もありませんし。)
ちなみに、僕のタイヤもチューブレス化して空気圧も低め(600kPa)なので、それも相まってなおさら乗り心地が良く出来上がっているのかもしれません。
ラグジュアリーバイクとまでは言いませんが、本当に快適なバイクです。
Trek Madone SLR インプレ# 3 (ハンドルステムについて)
Madone SLRを見ていて、デザイン的に美しいな~と思う部分の一つがハンドルステムだと思います。
写真の様に、僕のハンドルステムには30mmのスペーサーが入っています。
ま、ハンドルは低いほど格好良い事は分かってはいますが、前傾姿勢がきついと体がもちませんので適切なポジションにまとめると、残念ながらステムの下にかなりの量のスペーサーが入ることになります。
ただ、この状態でもデザイン的に破綻が無いところがMadone SLRのスゴイ所だと思いませんか !?
世間的には大変に評判のSpecialized VENGEですが、以下のCyclowiredの記事を見ても、ステムというかコラムスペーサーが野暮ったいと思いませんか!?
空力的には確かに太くて長いKVF形状の方が良いとは分かっていても、僕ら一般人が使うときには当然ある程度の枚数のスペーサーが入るわけで、このデザインは格好悪いと思いますよ、個人的には。
深いポジションが取れて、スペーサーを入れなくて良いピュアなレーサー達は僕の意見は“邪道”とは思いますけど、一般人にとっては重要と思うのですが、皆さんいかがですか?
Trek Madone SLR インプレ#2 (走ってみた)
という訳で走ってきました。
お世話になっているShopが館山へのツーリングを企画していたので、それに参加する形で50kmほど走ってきました。で、少しはMadoneの事が分かってきました。
エアロバイクと構えずに普通にロードバイクとして乗れるな~
というのが、第一印象です。
僕の様な「普通の脚力」の人間が乗っても、普通に乗れるバイクです。BB付近は圧倒的な剛性ですが、かと言って、跳ね返されるような変な違和感もないし、良い意味で「普通のバイク」です。
同じ印象はハンドリングにも言えて、ちょっと変な動きをしても全部車体が吸収してくれるようなハンドリングです。よく言えば「懐が深い」、悪く言えば「退屈」。
顕著に出るのがダンシングをした時で、BMCのシクロ車だと上半身も下半身も荷重をかけるポイントは1箇所しか無いのに対して、Modoneは多少ラフな扱いをしても安定したハンドリングが得られます。
ここは、良いとか悪いとか言う話では無くて、好みの問題ですね。
ただ、Modoneの様に圧倒的なハイスピードで飛ばせるバイクにとっては、このハンドドリングは“正しい”方向性だと思います。
まじめに踏むと、速い、速い!!
当たり前の話ですが、Modoneの本領発揮は35km/h超えてからですね。
この速度域からは、空気の層を切り裂くように“速い”ですね、ホントに感動するぐらい。
10kmほどの短い区間ではあったんですが、先頭交代をしながら全力で踏み切る区間があったのですが、今まではついていけなかった人たちについていけたのは完全にバイクのお陰です。
僕の足だと、40km/hを維持するにはせいぜい3分が限界なんですが、その3分間は中毒になる位に楽しいのがModoneです。バイクが、「もっと踏め!! もっとスピード出せ!! もっと風を切れ!!」というメッセージを出しています。
データ上は15km/h程度からエアロバイクの有効性は十分にあるそうです(だから、ほとんどのレースバイクがエアロ化する)が、体感として効果を感じるのはそれなりの速度が必要で、その興奮を得るために頑張っているとあっという間に足が無くなるという楽しい悪循環を経験することができます。
駐車する時ははちょっと気をつかう
何が言いたいかというと、徹底的に軽くするために、ダウンチューブの真ん中とか、フロントフォークの真ん中とかは、ペレッペラな薄いチューブになっています。
これぞ“TREKのOCLVの技術力!!” って事なんですが、この辺に変な方向から力が加わると結構簡単に壊れるだろうな~、って心配はあります(とはいえ、ガンガンに使うけど)。
という事で、総じて楽しいバイクです。
ちなみに、今回はISO Speedの設定は真ん中のままにしていじっていません。
これを最初からいじっちゃうと、パラメーターが増えすぎて何が何だか分からなくなりそうだったので、そこはまたの機会に試してみます。
今日はツーリング
今日は、お世話になっているShopの仲間とツーリング。
バイクパック仕様で行って来ます。
ロングライドのフィーリングを確かめよう。
Trek Madone SLR インプレ#1 (買った!! 編)
新しいRoad Bikeを買いました。
Trek Madone SLR Disc です。
見ての通り、Project Oneでカラーカスタムをしています。あまり知られていませんが、フレームセットで買いました。それにDuraAceのDi2と、ENVEのSES3.4 Discを組み合わせています。言ってみれば、エアロに振り過ぎないオールラウンダーを目指して組み上げました。
実は、エアロロードを買う予定なんか全くありませんでした。僕はオフロードの愛好家なので、シクロクロスかMTBのレースにしか出ません。10年前にオーダーして作ったCherubim ULIを持っていましたが、シクロクロスのBMC CX01を購入して以来、まったく乗らなくなったので人に譲ってしまいました。
(ケルビムに興味がある方は、下のリンクを参照してください)
DSKの物欲: CHERUBIM(ケルビム) ULI インプレ [その2/レーシングバイクとしての性能]
ただ、普段“太いタイヤ”ばかりに乗っていると、なぜかRoadが欲しくなるんですよね。目的は、週末にショップの仲間と練習をする程度ですが、あの軽快感のある乗り物が無性に恋しくなることがあります(ちなみに今はうれしくて通勤でも使っている!!)。
僕の目的からすると、エンデュランス系のモデルがぴったり何でしょうけど、普段シクロ(BMC CX01)に乗っている僕にとっては、個性がダブってしまって物欲がわきません。しかも、エンデュランス系の「まったりとした」ハンドリングがそもそも好きになれないという指向的なおまけまでついてきます
そんな中、飛び込んで来たのが、モデルチェンジしたTrek Madoneでした。
見た目でエアロRoadの圧倒的な恰好良さに魅かれてはいましたが、速くない僕には不要の物と思っていました。ただ、今回のモデルチェンジ(Madone 9からMadone SLR)で、ISO Speedが進化したこと。それ以上に、ハンドル周りインテグレーションが一歩前進して、衝撃吸収性もポジションの自由度も向上した(という評価を読んだこと)が決め手になりました。
「これは、オールラウンダーのRoadバイクとして使えるぞ。」
巷では、圧倒的にSpecialized VENGEの評価が高いようで、おそらく「最速のエアロロード」という意味ではそれは正解かのかもしれません。ま、サイクルスポーツ(雑誌)の特集が、それにとどめを刺した感じがあります(実際にTrekの関係者が、みんなVENGEに行くとぼやいていました)。
ただ、僕の様なユーザーにとっては「快適な乗り心地」は妥協できない性能で、その意味でMadoneは、頭一つ抜き出たモデルだと思います。
その意味では、Bike Radarのこの記事がMadoneの性能を一番正確に評価していると思います。
記事のサブタイトルにある
Aero claims aside, this is the world's most comfortable — and now adjustable — aero bike
エアロ性能の宣伝文句は横に置いて、これは世界で最も快適で、そして今、調整可能なエアロバイクだ(筆者意訳)。
は非常に正当な評価だと思います(英語ですが一読をお勧めします)。
という事で、購入を決めました。
ここから少しづつ、詳しい話を書いていきたい思います。
だから、営業という人種は嫌い
数日前の事、他の部署の知らない営業の人からいきなり会議招集が入って来て、
「実は、Aという商品をH社に売り込んでいるのですが、DSKさんの扱っている製品Bに使われてているCという技術が活用できないという話が合って話を伺えないでしょうか?」
それに対して、僕が
「確かに僕は製品Bを扱っていますが、うちの製品には技術Cは使われていません。他社の製品なら技術Cを使っていますが、僕は知見を持ち合わせていません。なので話すことはありません。」
と返答しました。それに対する再返答が
「じゃあ、製品Bの一般的な話でも良いので、情報交換させてください。現在H社からの反応が悪くて、何としてもDSKさんのお力が必要なんです!!」
と来ました。
ここまで来て、僕はこのメールを完全に無視する事に決めました。僕にとっては、この返信の「何としてもDSKさんのお力が必要なんです!!」の意味が不明です。
というより、その意味がはっきり分かったので、無視する事にしました。
結局、この営業の人にとっての興味は、製品Bでも技術Cでもなくて、H社と話をするネタなら何でも良い訳です。おそらくH社の技術者が僕の扱い製品Bの事を言及したから、「はい、今日はH者様の為に、製品Bの担当のDSKを連れてまいりました!! なので、私の話を是非聞いてください!!」という展開になる事は目に見えています。
こういうのを営業の世界では「熱意」と言うのかもしれません。僕も技術者出身なので、この手の営業を受けた経験があるのですが、はっきり言って時間の無駄です。
営業の人によって、ステークホルダーとなる技術者との関係は重要な事はわかっています。しかし、だからと言ってお客様の技術者の単なる「御用聞き」になっては何の価値もありません。ま、世の中にはサプライヤの営業からちやほやされたり、お酒を飲ませてもらって喜んでいる技術者がいることも確かですが…。
じゃあ、営業の彼は何をすればよかったのか、それは社内の技術者と話をして、「弊社の製品Aには技術Cは使われておりません。その代わり、技術Dを使うことで、技術Cに負けない性能を実現しています。」というストーリーを作る事です。
ちなみに後日談です。
その後、全く催促のメールは来ていません。おそらく、H社との打ち合わせは昨日か今日だったんでしょう。で、その前日に、宿題が終わらない小学生の様に慌てて僕の所に連絡してきたのでしょう(悪意100%の推定)。
今年の Mathieu Van Der Poel は強すぎる !!
シクロクロスのワールドカップをYoutubeでずっと見ています。
で、2019年の世界選手権見ました。
世界中の人たちが想像した通り、Mathieu Van Der Poel (以下、「ヴァン デ ポール」と書きます)が勝ちました。
今年のシーズン通してみていたのですが、一人だけ別次元です。恵まれた体格、パワーもある、持久力もある、それに加えてテクニックもNO.1、まったくスキなしです。
圧巻だったのは、Lap#5のキャンバーセクション、ライバルのVan Aertが後輪のグリップを失って足を着く一方で、完璧なバイクコントロールでここを乗り越えて、一気に差を広げました。
「あ~!!」と声が出た瞬間です。
個人的には、Van Der PoelもVan Aertも好きになれない選手なのですが、強さは別格ですね。で、益々嫌いになりました(笑)。